チェンマイと言えば、象に乗る。
チェンマイと言えば、トレッキング。
チェンマイと言えば、少数民族の村。
チェンマイと言えばラフティング。
その全てのアクティビティを網羅したツアーを、現地で申し込んで、ドイツ人カップルと我々姉妹の4人で参加した時の話です。
現地のトレッキングツアーに申し込む
チェンマイでは1泊や2泊で近郊の自然をエンジョイするアクティビティーツアーが山のように溢れています。ツーリストはみなこぞって参加すると言っても過言ではないツアー。私はチェンマイ2回目ですが2回とも旅のワンポイントで現地ツアーを利用しました。
現地にたくさんの旅行会社が並んでいて、自分のしたいこと、値段(大体同じ)とで選んで翌日から参加可能です。
・エレファントトレッキング(象に乗ってユラユラ1時間くらい川を渡り森を彷徨う)
・激しめのラフティングか、ゆるりとした筏下りかその両方
・南国の花とか蝶々を見る植物園に連れて行かれる
・ビジネス首長族を拝んで、お土産を買わされてお金を落とす
・2〜3時間山登りというか山歩き
・山奥の民族の家でホームステイ
・ジップラインというロープで峠を下ったりする欧米人が好きなやつ
・滝ツボで泳ぐ欧米人の好きなやつ
どこも、このあたりのミッションがいくつか組み合わさったツアーです。私たちも御多分に洩れず、象・植物園・ビジネス首長族・山登り・ホームステイ・イカダ・ラフティングのセットでご飯付き、ホテルに送迎付きの1泊2日のツアーに申し込みました。
1泊2日のドイツ人カップルと4人グループ珍ツアー
1日目
早朝に待ち合わせ場所のターペー門内のゲストハウスまで向かいました。
集合時間を20分過ぎても誰も来ない。詐欺だといけないので、ゲストハウスのフロントのタイ人に頼んで旅行会社に電話をしてもらい、「今向かってるから」という返事を信じて待つという海外でよくあるパターン。
時間を守るという概念は日本人にしかないと思っておくとベターです。
軽トラの荷台に乗せられてドナドナ状態で植物園へ。ドイツ人カップル、アンディーとベロニカちゃんと4人の旅が開始。
田舎道をドナドナ
見所のそれほどない狭い植物園でもフリータイムを60分も、もうけてくれる親切なタイムスケジュール。
蝶も60分見てると飽きる
それからビジネス首長族カレン族の村(っぽいアトラクション)へ。首長の首輪をはめてもらって記念撮影とか、「することないし首長族のマグネットでも買おうかな?」という気持ちにさせてくれるちょうどいい時間配分の自由時間。
ベロニカちゃん
それからエレファントキャンプに移動し、いよいよ象にまたがります。のっそのっそと進んでいきます。前の象に乗っている中国人ギャルのセルフィーに時々写り込みながら進みます。象の鼻のダイソン並みの吸引力を感じつつ。
象にもごはん
ランチタイム。辛いものが苦手な私は、パッタイ(タイ風焼きそば)が出ると、「辛くない物や」と喜び、ここぞとばかりに口に入れて蓄えておきます。
食後は、1日で1番暑い時間帯から山登り開始。山登りから、引率係の女性ガイド、ビアがついてくれました。ビアはアメリカの軍人みたいな女性で、とろくさい私たちのために、森に入って、木の枝を拾ってきて、獣を殺す用のナイフでいい具合の杖に切ってくれました。汗をダクダクにかいて3時間進みます。
わりかしハード
気持ちいい道。だけど暑さがね…。
アンディーは最年長なのでヘロヘロになって歩いています。
ベロニカちゃんは20代なのでたくましく軽やかに登っていきます。
我々アラフォーはフラフラ、ヨロヨロと。
汗をむちゃくちゃかいても、「今晩の宿にはシャワーはない…」ということを思い出しては、「シャワーのことは忘れよう」と努力。
夕方、ラフ族のサワディーさん宅に到着。チャンビールで汗をかいた分の水分を補給。ジョンレノンのイマジンを聴きながら今晩のご飯が出来るのをハンモックの正しい乗り方を探りながら待ちます。
こういう時間がアジアの旅の好きなところ
キュウリのカレー等の謎の食事を、アンディー、ベロニカ、ビアと5人で美味しくいただき、日が沈んだら焚き火。
しかし、風向きのせいか、1人ずつ、目が痛くなって退散。
20時、早々に眠りにつきました。
意外と寝心地のいい寝床
2日目
翌朝、朝日を見るために6時に起きたものの(10時間睡眠!)、曇ってて見れず。でも、曇り空の朝焼けもそれはそれで綺麗でした。まだ眠ってるアンディー以外で見届けて、二度寝。
普通の朝食を4人で食べ、アンディーの「枕元をネズミが走ってた」という世にも恐ろしい話を聞き、「サワディーカーッ!コップンカー!ベロニカー!」というベロニカのギャグにも聞き慣れてきた頃に、山を下ります。
コップンカー、ベロニカー。
山を下って滝へ。なるほど。シャワーのない時は、滝がシャワー代わりになるのね。他のツアーの多くの欧米人が自然のシャワーを浴びていました。まだ午前中で肌寒かったのでジャパニーズは遠慮しました。
ランチ後、鶏と戯れたり川を歩く象を見ながらのフリータイム。
ライフジャケットをつけていよいよラフティングタイム!
一見穏やかそうに進むボート
一晩を共に過ごしてきた私たち4人のチームプレイが試されます。アンディー、ベロニカ、我々姉妹が一つになって荒波を越えていく覚悟のもとボートに乗り込みます。
意外と厳しく怖い無口なインストラクターと5人で乗り込み、タイ訛りの英語での指示を頭に叩き込みスタート。何も言わない時は前漕ぎ、「バック!」は後ろ漕ぎ、「ストップ」は漕ぐのを止める。その程度なら楽勝!と思い、トライ。なかなかスムーズに進みます。しかし、難しいポイントが来た途端、インストラクターは鬼のような顔で「ここを持つな!」「立つな!」とうるさい。「イエッサー!」と私が言っていたら「ふざけるな!」的なことを言われ怒られました。
そんな中、デンジャラスゾーンに突入。
急流で「バック!フォー!フォー!フォー!」と叫ぶもんだから4人とも「え?」となりました。
「フォー!」て何?4人力を合わせろ?って意味?そのままという意味?訳も分からないまま、4人それぞれが、各々のフォーを必死に表現するも、「ノー!フォー!」とめちゃめちゃキレてくる始末。「What's フォー?」と言い合っていましたが誰も正解が分からず。
ボートがバランスを崩し、向かいに座っていたアンディーの体が後ろ側へグラつきました。
アンディーの隣にいる妹まで落ちたら大変だと思いとっさに立ち上がって手を伸ばすと「立つな!」とインストラクターにめっちゃ怒られ、アンディーを助けようとした時に私のボートのオールが外れて、何故かインストラクターの足元を塞いでインストラクターは身動きが取れなくなってしまい、余計な動きをした私はまた怒られ、その隙に、アンディーは誰の助けも得られないまま、スローモーションで背中から川へと落ちていきました…。
わー!!!嘘?!大丈夫?
と私たちはびっくりしていましたが、アンディーは水面から出てきません。私の隣のベロニカを見ると真顔(当たり前)で、冷静でいようと必死な様相。岩場だったので頭でも打ってたら大変。なかなか出てこないし、本当にヤバいんじゃないかと思い私も怖くなってきました。妹はその時、アンディーは死んだと思ったようです。ボートを止めてただ祈りながら川を見つめるしかできない私たち。
すると、しばらくして、だいぶ離れた所のボートで手を振っている人がいました。急流に流されて、遠くの他のボートに拾われた、ずぶ濡れのアンディーでした。私と妹は、その時のアンディーの笑顔があまりに可愛くて無邪気に笑ってたもんで、爆笑してしまいましたが、あんなによく笑うベロニカがニコリともせずずっと真顔だったので笑うのをやめました。アンディーは腕を擦りむいて流血していましたが、元気に我々のボートに戻ってきました。良かった良かった。
アンディー、ベロニカを心配させたらダメだよ!と注意しておきました。
ボートを下りる頃に、インストラクターも冷たい水をふざけて私たちにかけてきたので、「なるほど。命を預かってたから真剣で厳しかったのね」と反省しました。
最後は無事生還したチーム・フォーとビアと記念撮影し車でチェンマイの町まで戻ります。
ビアとベロニカ、川に落ちて生還したアンディー
車中、ホテルに着く直前に、疲れのせいかコロコロパッカーの妹が一口だけビニール袋にゲロを吐くハプニングもありましたが、めいいっぱい遊んでチェンマイのホテルまで送ってもらって終了。
アラフォーにはハードな2日間でしたが、日本では味わえない時間を楽しめました。
現地ツアーの手配について
現地ツアーは、チェンマイの現地に着いてから選ぶ方が日本の旅行代理店を通すよりも格安です。日程的に厳しい方、心配な方は、インターネットで現地の旅行会社でネット予約をすれば日本の旅行代理店経由よりも安いのでそちらをオススメします。
日帰りのグループツアーで3000円前後、1泊のグループツアーで6000円〜9000円くらいが相場だと思います。こちらのサイトは、日程、内容などバラエティーに富んでいて、情報収集にも予約にもオススメです。
http://www.travelhubchiangmai.com/budget-packages.html
最後に補足
ちなみに、ラフティングのインストラクターが叫んでいた「フォー!」とは「Forward 」のことで、「前に漕げ!」という指示だったようです。タイ訛りで分かりませんでした。チェンマイでラフティングされる方は、フォーと言われたら前に漕ぐように気をつけてください。