南インド旅のフィナーレは、ここで迎えます。
前から行きたかったインドの1番先っちょの場所です。世界地図を見るたび気になってた場所、カニャクマリ。名前のかわいさに余計に惹かれますが、どうやら、ありがたい聖地のようです。
カニャクマリとは
インド最南端のタミルナードゥ州のカニャクマリは、アラビア海とインド洋とベンガル湾の3つの海が交わる場所。(湾が海かどうかは意見が分かれるところですが)
世界地図を見ていると、大陸の端っことか先っちょとか、パッと見て特徴のある場所に行ってみたい衝動に駆られる私。
カニャクマリのコモリン岬は、まさに特徴的なインド大陸の三角の先っちょ。
ヒンドゥー教の聖地として有名で、インド人が死ぬまでに行きたい場所として、毎日毎日巡礼者が大勢来るとのこと。インドで唯一、海岸線からの朝日と夕日の両方が見られる場所でもあり、旅先で見る朝日と夕日好きの私としてもぜひ行きたいところ。ヒンドゥー教徒ではないけれど、その聖地がどんなものなのか、行ってみることにしました。
トリヴァンドラムから向かう
コヴァーラムビーチでの「アラフォーが全力で大はしゃぎDAYS」【南インド旅⑤】インドのビーチで、アラフォー女がボディーボード・デビューの巻。に見切りをつけて、筋肉痛とともにトリヴァンドラムへリクシャーで戻ります。
ケーララ州都のトリヴァンドラムから、バスに乗り(150ルピーくらいだったかな)、ナーガルコイルという場所を経由して(トイレ休憩もあり)、3時間後にカニャクマリ到着。
とりあえず宿探しです。一泊のみで、日の出前にホテルを出て朝日を眺めて沐浴する予定でしたので、どうせゆっくりホテルで過ごさないしどこでもいいや、と思い、安くてシャワーがあって、そんなに汚くないところという最低ラインの宿探し開始。
1人500円くらいのSamdra hotelに決めました。(聖地のせいか、宿は多いですが、そんなに質は良くなく安くもない印象)
南インドを旅する日本人って…
腹ごしらえをして、ぶらぶらしていると、日本人カップルに遭遇。
これまた独特な日本人二人組でした。
白装束のような装いで、男性の方は丸坊主でオウム真理教の人(マイトレーヤ)によく似た雰囲気。話していても独特な印象で、よく分からない聞いたこともない場所を「ぜひ行ってみて!」と熱心に勧めてくれました。(場所は失念しました。)
宗教家夫婦っぽいお二人で、どこかで修行されていたようです。
南インドの旅で出会う日本人の方々は、みな独特で、北インドにいるいわゆるフツーのバックパッカーは皆無。「旅人の数だけ人生あり、物語あり」というワードがカニャクマリでも私の心に刻まれました。(たまたま、今回、そうだっただけでしょう。)
結局、カニャクマリではこのカップルしか日本人には会いませんでした。
そのせいか、なんなのか、我々フツーの日本人姉妹は、行く先々で芸能人のような扱いを受けることとなりました。
日本の庶民を追うインド人パパラッチたち
やたらと写真を撮られるし、一緒に撮ろうと言われる。インド人が集団で取り囲みます。
昔、タージマハルに行った時と同じ現象です。
大家族で旅行しているインド人が多いせいか、関係ない人も入ってきてるのか、学校の集合写真くらい集まってきます。
日本名が珍しいのか、名前を聞かれて教えると爆笑。沢山の人に名前を教えまくるので、遠くから、知り合いのように名前を呼ばれます。こっちは、インド人の名前が難しすぎて、そして多すぎて覚えられず、申し訳なかったですが、そんなのお構いなしで、あちこちから名前を呼んでくれました。とりあえず、手を振っておくと喜ばれます。
「芸能人って、藤原紀香ってこんな感じかな?」(なぜか紀香で考える。決して似てないし好きでもない。)
「芸能人て毎日写真撮られて大変やねー。」
なんて、いい気になって芸能人の苦労に同情したカニャクマリの夕方。
夕方の聖地
ガンジー記念堂をのぞき、VIEW TOWERまでやってくると、見渡せばインド人だらけ。インド中からここへやってきたんでしょうか?
螺旋階段を上がりながら、インド人ファミリーとお得意のボリウッド話、3大カーン誰が好きか問題などを話します。【日本に魅力を広めたい!インド映画の奥深さを。ボリウッドの魅力、3大カーンとは。入門編① を参考に】
あいにくの曇り空で、夕日は拝めませんでしたが、フライドポテトを食べながら、お祭り騒ぎな俗物的な聖地の夕方を感じることができました。(露店もたくさん出ていて町ごと、お祭りっぽい装いです)
夜には、償いの教会というところで、宗教の奥深さを感じ、明日朝も早いのでさっさとボロ宿で寝ることにしました。
ヒンドゥー教の聖地でサリーを着てキリストに祈る多様性
3つの海から生まれ出る太陽
翌朝、 5:45に起きてコモリン岬へ。大勢のインド人たちと太陽を待ちます。
日の出前の紫の空。
ポコッ!!
6:10に日の出を迎えました!
空の色が刻一刻と変化します。
こんな素晴らしい朝日は見たことないかも。
左からベンガル湾、インド洋、アラビア海。
3つの海から生まれ出てくる太陽。
これは、聖地って言われるはずやわ。
色々旅をしてきましたが、海岸線から上がる朝日は、ここが世界一神秘的で綺麗でした。
インドの1番下の先っちょに立ってると思うと感動もひとしお。アラビアからの潮風も強く、波もものすごく力強い。迫力のある聖地です。
コモリン岬の象徴的な像、ティルバッルバル像も「自由の女神」のような存在感を放っていました。
沐浴。そして、もう1つの聖地
一斉に沐浴を始めるインド人の皆さん。
バラナシのガンジス川では、正直汚くて足をつけるのも畏れ多いというか、恐れ多いという気持ちで沐浴したことはありませんでしたが、この3つの海が交わる場所は海も綺麗だったので思い切って私も沐浴できました。
紫のトップス・緑のパンツでアラフォーオカッパが瞑想中
インド人女子たちと仲良く座り込んで3つの海の波をザバーンと感じます。
すると、大きな声で私の名を呼ぶインド人女子たち。
昨日、私が自分の名前を教えて、それを覚えていた人たちです。
私の名を呼び、
「Pants,open pants!」
「パーンツ!
オープン・パーンツ!」
の大号令です。
ふとみると、コヴァーラムで買った私の緑のインドパンツが、お尻のところがパッカリと裂けており、ありがたい日の出のように私の下着の方のパンツが人目にさらされておりました。
聖地で聖地をさらしてしまっていた私。
インド人女子たちは、私の名と、「パンツ・オープンパンツ」という言葉をセットに、口にしては、私の聖地を指さして笑い転げていました。
どこででも注目される芸能人の大変さに同情しつつ(紀香も大変でしょうね)、恥ずかしさで私の顔も赤く染まる、カニャクマリの素晴らしい朝でした。
※インドで買う衣料品は、色落ちと縫製のいい加減さに要注意です!!
補足:カニャクマリ観光情報
- ティルバッルバル像の立っている離れ小島へは、船で渡れます。せっかくなので、宗教家のヴィヴェーカーナンダ岩やティルバッルバル像を間近で見に行ってみるのをオススメします。(カニャクマリ・フェリーサービス:169ルピー)フェリー乗り場は長蛇の列です。荒波でかなり揺れるのでお気をつけて。
- コモリン岬にあるガンジー・メモリアルもぜひ足を運んでみてください。靴を預けるのに1ルピーと、インド人観光客に写真撮影をせがまれまくります。キメ顔で写ってあげてください。
- 償いの教会こと「The Church of Our Lady of Ransom」白い美しいカトリック教会です。夜のミサの時間に散歩がてら行ってみては?
- クマリ・アンマン寺院。時間がなくて立ち寄っていませんが、インド人の長蛇の列でした。
- カニャクマリへは、トリヴァンドラムからバスや鉄道で3時間ほどでストレートで来れます。トリヴァンドラムには、国際空港があるので、空路でもアクセスは意外とスムーズです。
イメージと違うポップなコモリン岬のガンジー・メモリアル
↑ カニャクマリ~が歌詞に出てくる南インド旅にぴったりのボリウッドソング
南インド旅はここでおしまいです。
スリランカに手が届きそうで届かないカニャクマリ