アラフォー女バックパッカーの無敵の旅の話

働きながら、少ない給料と有給休暇をフルに使って旅をしている勝手気ままな女の旅の話。旅で撮った写真もはさみつ

【カタルーニャ独立宣言で思い出したこと】カタルーニャ女との愛情のもつれ〜カミーノで知り合った旅人〜

カタルーニャ独立宣言

スペインのカタルーニャ州を巡って、住民投票で独立が支持されたり、投票を憲法違反だと言って中央政府と対立したりする中、2017年10月27日に、カタルーニャ州が正式に独立宣言をしました。それを受けて、中央政府側が州政府の首相らを罷免したり、緊迫状態は継続。そんなニュースを見ながら、バルセロナはどうなってしまうのか、どんな形であれ、血が流れないことを祈りたいなと見守っています。

「カタルーニャ」と聞くと、スペインの巡礼で知り合ったスザンナを思い出します。バルセロナ近郊出身の女性。スザンナと、今年の春、再会予定でしたが、結局会わないこととなり、多分この先も会うことはないと思います。

理由は、もつれてしまったからです。色々と。 以前書いたカミーノで知り合った旅人の話〜スペイン人のスザンナのことの続きを書きます。

スペイン人とカタルーニャ人

スザンナは、自分の事を「カタルーニャ人」だと言っていました。私は、スザンナと出会った当時、スペインの民族問題について何も知らなかったので、「私も日本人やけど関西人やで」くらいの感じに受け止めていました。「スペイン人だけどカタルーニャ人」という意味だと。

スザンナは、「普段はカタルーニャ語を使うけど、私に分かりやすいように今はスペイン語を使う」と言っていて(スペイン語も私がバッチリわかるわけではないけど)、インドも同じインド国内で、ヒンディー語とベンガル語とかタミル語で全然違うのは知っていたので、地域によって、大阪弁と標準語よりももっと違う言語を、同じ国内で使うんやろなーと何となく留めていました。

ただ、スザンナの話を聞いていると、私が自分を「私は大阪人や!」と思っているしょうもないプライドよりも(私は割と強く持ってる方です)、スザンナの持っている「自分はカタルーニャ人」という気持ちは、比べ物にならないくらい強くて、プライドというか、アイデンティティーなんやなというのは、つたないスペイン語でのやり取りで、感じてはいました。

それから、カミーノを歩きながら、スペインの民族問題などを出会ったスペイン人から色々話を聞きながら、少しずつ知ることとなりました。

スペインは州が変われば国が変わるくらいの違いがあった

スザンナと一緒に過ごした時は、まだまだカミーノの前半あたりだったので、スザンナが話してくれていたことが、それほど理解できていなかったのですが、カミーノを歩き通して、私が、自分の体を通してなんとなく気づいた事があります。

歩いてきたスペインの800kmの道のりを振り返って気づいたのですが、バスク地方(ビルバオあたり)と、カスティーリャあたりと、ガリシア州など、全然別の気候、言語、食事、文化があり、スペインって、いろんな民族のグループでできている集まりなんやなってことです。全く違う国の集まりと言えるような感じ。「800kmスペインを歩いた」っていう単純なことじゃなくて、それぞれ地域によってや州によって、違う国を旅したくらいの幅広さがありました。

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スペインのナバーラ州とフランスの境目

スザンナとの再会の約束

スザンナは、昨年2016年のカミーノを終えてから、2017年のカミーノまでの間、以前ブログで書いたように、何故だか私に「愛」を感じてくれたようで、たくさん私にメールをくれました。

「次に会える日が楽しみすぎて眠れない」

「PCのデスクトップの壁紙はあなたの写真にしたよ」とセゴビアの水道橋の前でバンザイしている私の写真がデカデカと写し出されたノートパソコンの写真を送ってくれたり、

バルセロナ近郊のヌーディストビーチでトップレスになったスザンナの写真を送ってくれたりと、私の方は少々、反応に困っていました。
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セゴビアの水道橋
それでも私の方は彼女に友情を感じていたので、2017年のカミーノ旅の日程を決めて、大阪からマドリードまでの航空券を押さえたことを、スザンナに早速報告しました。

軽い気持ちで、

「帰国前にマドリードで数日過ごすから会えたら会おう」とメッセージを添えました。 スザンナはすごく喜んでくれて、

「サンティアゴの大聖堂でゴールを祝ってあげたいけど、それは日程的にできないから、マドリードであなたのゴールをお祝いしてあげたい。再会場所はマドリードのアルムデナ大聖堂で。花束が目印になるから。」と言ってくれ、帰国日前日の5/12にマドリードのアルムデナ大聖堂で会う約束をしました。 なんか、いちいちロマンティックやな…と気にはなりましたが、帰国前に一緒にバルをはしごして楽しい時間を楽しめればと思い、私も私なりに楽しみでした。

愛情のもつれ

スザンナは、メールでも、はしゃいでいる様子が分かりました。

「バルセロナからマドリードまでの夜行列車の予約を取ったよ!」

「仕事の休暇届けを出したよ!」

「マドリードにあなたが上陸するかと思うとドキドキします」とか。(まるでビートルズフィーバー)

私は、その辺のテンション(感情表現)は普段から低い方なので、そういう人の反応を見ると戸惑います。そういう人って、落差が激しいから、期待するとがっかりすることも多いのにな〜って思ってしまいます。

でも、「ラテンの国の女だし、まあ、あの人、感情の起伏が激しい女やし」と目をつぶり、「私も楽しみー!」くらいのお返事をしておきました。

マドリードに到着し、そのまま長距離バスでバスク地方のビルバオに向かい、スタンと再会して(スタンについてはこちら→カミーノで知り合った旅人の話〜ベルギーのスタンのこと〜 )バスク料理のうまさにノックアウトされた私。私とスタンの共通の巡礼仲間に「無事再会!」と写真を送ったところ、「ブラピとアンジーがヨリを戻した!」という冗談のブレイキングニュースとして巡礼仲間に広がり、スザンナもその写真とコメントをFacebookを通して目にしたのが、まさかの爆発の始まりとなりました。 「どういうこと?!すぐにメールちょうだい!」というスザンナからのメールに、私は2日後に気づいたのでした。
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ザ・ビルバオ!ことグッゲンハイム美術館
バスク語、読めなかった…

カタルーニャ女からの決別宣言

「スタンも今、カミーノの北の道を歩いてたから再会してきてん。元気やったよ!」とさらっと報告すると、しばらくは、落ち着いたメールで、
「今どこを歩いてるの?」
「気をつけてね」といった内容だったので、「ふー。またジェラシー爆発かと思ったぜ!」と心の中でホッとしたのもつかの間、スザンナからメール攻撃が始まりました。
「5/12のあなたとの再会の約束、本当に会えるか不安でいっぱいです。

カミーノの道で、あなたの隣に今誰か別の男がいるのではないか?

5/12にはその男とあなたが過ごしているのではないか?

そんなことを考えると気が狂いそうです。」
というメール。
あーあ、そういうモード、入っちゃったか…。めんどくさい女やなー。
と、気づいたら、よくある漫画に出てくるような、メンヘラ女を面倒臭がる最低男みたいなことになりつつある私。
「歩くの遅いから1人で歩いてるから大丈夫やで」と私が返事すると、「カミーノは1人で歩くものじゃないよ、友達を作りなさい」って返事がくるし、
「約束は守るよ。それが日本人や。」と言うと、「約束だから守るんじゃなくて、気持ちで表せ!それがカタルーニャ人よ。」って返事がくるし。
「スタンとの再会は、いつから計画してたの?どうして私に内緒にしてたの?」って、本当に直前にスケジュールがあったから決まったし…。
ちなみに、これは今年のカミーノを歩き始めた3日目くらいのこと。知り合った仲間も出来てきて、毎日が楽しくなってきた頃に、毎日そういうメールを見るのが面倒臭さMAXレベルでした。
すると、スザンナから謎の要求を突きつけられました(メールで)。
「最後の願いです。
マドリードでairbnbでアパートの1室をレンタルできました。ベッドは1つです。
一緒に寝てくれますか?」
…………。
これは難題です。
一休さん並みの回答が求められる…。
シンプルに
「私は自分1人のベッドでないと眠れない。睡眠を大事にしてるから。カミーノを歩き終えて疲れてると思うし。2人で1つのベッドは無理。私は適当にホテルに泊まるよ。」と返しました、本題に触れないように、そっと。
するとすぐにやってきたメールには、
airbnbとマドリード行きの夜行列車の両方のキャンセル票を添付して、
「水は飲むものではなく流れるもの。
あなたの写真を壁紙にしているPCを叩き割りました。サヨナラ。」という決別宣言。
「何でこういうことになるんかなー?」という思いでいっぱいでしたが、私もカミーノに専念したかったので、もう、いいやと思い、
「どうしてキャンセルしたのか私は理解できない。私は、あなたと会うつもりだったので、とても残念です。でも、昨年あなたに会えてよかったというのは本当の気持ちです。今までありがとう。これからはカミーノを楽しんで歩くのに専念します。さようなら。」というメールを送り、私の方からも決別宣言。
言葉通り、カミーノの日々を楽しもうと決めました。

スザンナのことを振り返って

「水は飲むものではなく流れるもの」って、
私のこと、飲む気やったんかい!!
流れたるわー!

っていう何とも言えない気持ち。

その後、謝罪、弁解、撤回したいとか、とんでもない過ちを犯したとか、しばらくスザンナからそういう内容のメールが来ていましたが、私という「水」はもう流れてしまっていました。

こういう時の私は、いつでも残酷なほどサッパリしています。自分の冷たさに、また自分が嫌になりかけましたが、中途半端にするとスザンナもしんどいだろうと思い、あくまで「NO」を貫きました。
振り返って考えてみたことですが、
まず、大前提に言葉の壁がことをややこしくしたのでしょう。 スザンナはいつも、スペイン語→英語に翻訳サイトを使って翻訳していました。 私の方は、英語(多分間違っている部分あり)で送る。そして受け取るスザンナが英語→スペイン語に翻訳サイトを使って変換。まるで伝言ゲーム。どこかでうまくいかないことは当然起こり得ます。冗談(例えば愛とかヨリを戻したとかその手の話題)が真面目に伝わったり、ていう可能性もあったかもしれません。顔を見て、反応を見て伝え合うのとは違うなと思いました。
また、スザンナは同性で、私は同性愛者ではないということもあります。スザンナがどうなのかは、明言されていないので、分かりません。言葉の壁、文化の違いもあり、友情の愛なのか、恋愛の愛なのか、分からず、日本人の一般的な感覚から考えると、友情ではなかった可能性があると感じていました。例えば、スザンナを男性だと捉えれば、スザンナの感じる不安や独占欲も理解できなくはないです。逆に自分が男だったとしたら、私の態度は、思わせぶりのやな男です。気持ちに応えてあげられない申し訳なさもあり、とても心苦しいです。どうしたら良かったのかな…。でも、分からないのでそれは考えないことにしました。
それと、最近になって思い出すのは、スザンナが後から弁解してきた言葉の中にもあった「カタルーニャ」という言葉。
「カタルーニャに会いに来てくれることが願いだったのに、あなたはマドリードに来いと言った。それが悲しかった。」とか、「カタルーニャに来ないくせに、スタンに会いにバスクに行った。私に会うよりも先に。」「カタルーニャからマドリードに行く覚悟をあなたは分かっていない。」とか。
同じ国だし、「会いに来れたら来て」という軽い私の誘い。確かにバルセロナからマドリードは遠くて、大阪の人が、仙台まで行くくらいの距離。距離も時間もお金もかかる。でも、もしかしたら、それ以上に、私には分からない何かが、カタルーニャとマドリードの間というか、スペインとカタルーニャに、あったのかも知れないなと今は思います。
カタルーニャ独立宣言のニュースを見ながら、スザンナのようなカッとなりやすいカタルーニャ人がもしたくさんいたら、その方々が暴走し過ぎないことを何となく祈りたいと思いました。大阪人だからってみんながボケたりツッコんだりしないので、カタルーニャ人だからと言ってみんなが暴走するとは限りませんが。
血が流れることなく、平和にことが運ぶことを願います。 スザンナとのことは、最後は残念でしたが、楽しかった時間は事実であり真実。
時間が過ぎて、彼女を思い出す時は、一緒に笑いあった日々ばっかりになればいいなと、残念ながらも都合よく思う私です。
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ちなみに1人でマドリードのアルムデナ大聖堂に帰国前に立ち寄りました。約束は守る女なので。素敵な大聖堂でした。
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