アラフォー女バックパッカーの無敵の旅の話

働きながら、少ない給料と有給休暇をフルに使って旅をしている勝手気ままな女の旅の話。旅で撮った写真もはさみつ

カミーノで知り合った旅人の話。〜バルセロナから来たポール〜

出会い

2016年のカミーノで知り合ったポールは、バルセロナ出身の20代の男の子で、彼も早起きチームなので、朝方、よく一緒に歩いていました。

スペイン語なまりのゆっくりした英語を話すのが可愛らしくて、姉のような気持ちで、日本から持ってきた飴ちゃんをあげたりしていました。「サンキュウ」という言い方も可愛らしかったです。

 

道端のカタツムリを見つけて拾って、「食べれるんだよ。夕食にしたら?」って言ったり、雨が続いた泥の道を歩く時に、「クチュクチュいうこの音が好きだよ」って言ったり、ほんとに可愛い子でした。

一緒に歩いてるうちに姉気分になってきた私は、何となく、彼には頼める!と思い、あることを頼んでみました。

 

I wanna pee...

それは「野ションの見張り」

(解説:野ションとは、野外でションベンの略。トイレがない場所を旅しているとぶち当たる女のトイレ問題。私は水分を摂りすぎる癖があるので、暑くない場所では、頻尿に悩まされます。先人たちの残した、濡れた地面や、ティッシュを手がかりに、自分なりのベストスポットを探す旅です。あ、ティッシュを捨てっぱなしはダメなんでしょうけど、猫のように土をかけて、自然に返します。)

 

「ポール、アイワナピー…」が合図です。

「OK!」と言って、歩きながら、「あそこはNO」と言いつつ、いい感じの茂みを見つけて、「パルフェクトゥー」と言ってもらえる場所が出て来たら、バックパックを下ろし、ポールに見張っておいてもらい、私は茂みに消えます。

ちゃんと背中を向けて見張っといてくれるポールを見つめて、感謝。ありがとう…涙、の代わりに用を足します。

イタリアーノ親子とかそれ以外の仲間には恥ずかしさが勝ってしまい、野ションを言いだせませんが、ポールなら平気なのでした…。

「その代わり、ポールの時も見張ったげるからね」と言うのですが、ポールはいつもササっと走り去り、済ませて、すぐに私に追いついてきます。「はやっ!」と言うと、「男の子だからね」と。そりゃそうですね。羨ましい。

朝方ということもあり、冷えるのと、なかなかバルにたどり着けずトイレが無いことが多いので、ポールといる時に野ションをするのが恒例になっていました。

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この教会、トイレが無くて、裏でさせていただきました。罰当たりな私。

サン・パウ病院のご縁

ある時、ポールがバルセロナの話をしていて、サン・パウ病院の話になりました。サグラダファミリアを作ったガウディが電車に轢かれて亡くなった場所。ポールはサン・パウ病院のすぐ横のアパートで生まれ育ったというからびっくり。私は「私、サン・パウ病院に行ったことあるよ!グエル公園に行く前に寄った。トイレに行きたくてサン・パウ病院に行ってん。綺麗なトイレやったわ。」と言うと、ポールは笑って、「君は世界中でトイレをしてるんだね。僕の近所でもしてるなんて。」と呆れていました。(旅人なら誰だって世界中でトイレをしてるけどね。生理現象や。と言いたかったが英語で言えず…。)

そんなポールはバルセロナで生まれ育ったのにサグラダファミリアに入ったことがありません。何で?と聞くと、「あそこはクレイジーツーリストが行くところ」と即答。まあ確かに。私も通天閣には登らない。いいものはいいのにね。建築とかアートに興味ないと言う冷めたバルセロナっ子でした。

ポール、アートに目覚める

 そんなポールが、オンタナスという村で急にノートに絵を描き始めました。

「オンタナスの村があまりに美しいから、写真を撮りたくなったけど、カメラを持ってきてなくて。でも記憶に残したいから。だから絵を描くことにした。描いたことないけど。」とニッコリ。

なんて素直な子。だけど、描き方が全くなっておらず、子供のひどい落書きレベルでした。

でも、分かるよ、ポール。絵の上手い下手じゃなくて、この、描いてる時の風景が、絵が下手でも、記憶に残ると思うよ。

ほっこりした気持ちになった私でした。

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私もオンタナスの村は描きたいくらい好き。

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オンタナスの町

 

 

それ以降、町に着いたら、1人でノートに毎日絵を描き続けたポール。最後にレオンで見せてくれた大聖堂の絵はそれなりに形になりつつありました。(最初より大分、絵になっています。)

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↑レオンの大聖堂。

 

それがこうなった

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笑わないでやって。彼の絵の才能はまだ花開いてないだけ。可愛いから許してやって。

旅先で新たな自分を見つけたのか?

日本では汚い和式のトイレに入りたくない私ですが、旅先では青空の下で開放的に用を足すのもへっちゃらになってしまいました。

ポールは、ガウディにこれっぽっちも興味のないバルセロナっ子だったのに、旅先で急に絵を描き始めました。(まだ才能が開花する気配はなし。)

 

実は私、「自分探しの旅」とかいう言葉は、好きではありません。

普段の生活の中で、自分で自分を分かってない人が、急に海外に行って、わーお!新しい自分を発見!とかって薄っぺらくないか?と懐疑的になります。日本で生活してたって、自分の新たな一面を発見できるだろうよと思ってしまいます。

そもそも自分を全て分かった気でいたのか?と思うこともあります。

「自分を探しに行く」なんて、そんな大それたことを旅に期待されても…旅は楽しむだけでええやんか、と思うこともあります。

 

そんな私が旅で気づいたこと。

 

「野ションができちゃう新たな自分を発見!」

 

せいぜいそんなレベルです。

ポールもアートに目覚め、私もワイルドに拍車をかけた。

そんなことを思い出させてくれる将来のガウディとの思い出でした。